人形工芸の技と美を実感「東玉・人形の博物館」
岩槻駅前にある老舗人形専門店「人形の東玉」の多彩な収蔵品が展示されている「東玉・人形の博物館」は、人形文化の保存と後世に継承していくことを目的に昭和63年に開館しました。日本の伝統行事「五節句」ごとにテーマを変えて展示され、人形の歴史や文化をわかりやすく公開。館内には、ひな人形、御所人形、五月人形、衣裳人形、操り人形、からくり人形、現代作家名匠の逸品など、江戸時代から現代までの日本人形を幅広く展示しています。先人たちのお洒落な季節感や、心の豊かさが表現された素敵な作品に出会うことができます。また、「まちかど雛めぐり」期間中は、江戸時代から昭和時代の享保雛、古今雛などのほか、「つるし雛」も展示されています。
また、向かいの「東玉総本店」では、その年を象徴する出来事を雛人形で表した「変わり雛」5点も展示(3階)されているほか、5~11月には、「折り紙わらべ」や「絵馬の塗り絵」、「木目込人形」などが作れる体験学習(予約制・有料)も行えます。
老舗人形専門店「人形の東久」が運営する「お人形歴史館」は、人形作家で小売店を営む館長の福田東久さんが「各時代の人形を保存・公開することで、日本の伝統である人形を後世に伝えたい」と、1986年に開館しました。館内には、長年収集してきた立雛や寛永雛、元禄雛、享保雛、古今雛、御殿雛、鞆の浦雛(とものうら)、江戸木目込人形、市松人形、現代名工の人形など、室町時代から現代までの貴重な人形が多数展示されています。中でも「岩槻元祖裃 (かみしも) 1,500体雛」は圧巻。江戸時代頃からの「裃雛」が一堂に展示され、大きな存在感を示しています。 また、人形の製作工程(顔・頭、衣装人形、江戸木目込人形ほか)や材料などのほか、ドラマ撮影に使われた雛人形や、アメリカ大統領に贈られたものと同一の雛人形、干支の雛人形なども展示されているので見どころも盛り沢山。人形の歴史から製法・仕組みまでを学べる資料館です。